特捜部、回答!!

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    さいきん怪談の配信ばかり聞いています。

    暑さを吹っ飛ばすような怖い話をお持ちですか?(ホチカン・福岡県・21歳)

     

    ガ報8月刊[ここガ知りたい!ガガガ特捜部]に載せきれなかった、
    先生たちの怪談話とは…!?(※敬称略)

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    浅井ラボ先生
    死者や失踪者が出ての裁判を二回やりました。

     

    初鹿野創先生
    『中学の時、オリジナルポエムを綴った本を好きな子にプレゼントした』……っていう黒歴史を公にされてる今この瞬間が何より恐怖

     

    犬君雀先生
    「中学生のとき僕のことを好きだと公言して文通までしていた女の子に彼氏がいた話」

     

    赤城大空
    どしゃぶりの中、裸足で走ってくる幼女とすれ違ったことがあります。

     

    ハマカズシ
    彼女に送るはずだったイチャコラメールを間違えて母親に送ってしまったとき。背筋が凍った。

     

    結城絡繰
    待ち合わせの時間ちょうどに起床した時は背筋が凍りました。

     

    shiryu
    子供の頃は怪談を聞いて、一人で夜トイレに行けない病に罹ってました。

     

    零真似
    人生をすっからかんの灰色にすると、夢が近い過去をなぞるようになってきます。最近は虚空に向かって「ごちそうさまでした」か「ペイペイで」と口にしたきり、あとはずっと夢の中で目が覚めるのを待つ日々です。そんな生活を送っていると垂れ流す血の色さえ必要な鮮やかさに思えてくるので、とっても怖いですね!

     

    竹内佑
    「今日中に原稿を上げないと結婚式を挙げさせませんよ」と言われた時は心底震えました。今の担当ではないです。

     

    石川博品
    フグの餌に買ったミミズ50匹が朝起きたら脱走して床にぶちまけられたスパゲティみたいになっていたときにはギャーッとなりました。でもフグはミミズをあげると喜んでくれました。

     

    山川進
    ある夏の日。私が寝ていると急に胸が苦しくなって息が出来なくて、ハッと目を開けたら胸の上で犬が座っていました。念仏を唱えると犬は消えました。

     

    水口敬文
    指を切断しそうになったとか、そういう地味だけど本気で怖い経験は結構あります。トラウマものなので、思い返したくもないですけど。

     

    高岡杉成
     中学のとき、寝ていたら耳の後ろ側がゴソゴソして、何かと思ったらそこにムカデが這ってたっていう話。

     

    夏緑
    聞いた話ですが、ずっと昔ある漫画家さんの仕事場に押し入れがあり、その下の段に首だけの女の霊が住んでいたそうです。締め切りまぎわ、アシスタントが仮眠をとるため押し入れに入ると女の霊が顔をのぞきこんでくるのですが、修羅場で余裕がないので、みんなスルーして寝ていたそうです。

     

    八目迷
    Wikipediaの「未解決事件」の項目がオススメです。

     

    両道渡
    深夜のピーンポーンほど怖いものはありません。

     

    氷桃甘雪
    一人暮らしをしていた大学生の頃、私のものではない髪の毛(黒くて長い)を何度か見つけました。(当時の友人にロングヘアーはいませんでした)

     

    水沢夢
    編集(注):水沢夢先生から提出された「怖い話」が、ガガガ文庫の闇を暴露する内容だったため消去しました。

     

    中沢健
    いくつか持っていますが、語ると呪われるので誰にも話せません。

     

    大谷久
    車で走ってたら子鹿をもりもり食べてる最中のヒグマと目が合った、というのは怖い話になりますか?

     

    海津ゆたか
    中学生の時、トイレ清掃中に大爆笑したら口の中にキンバエが飛び込んで来て、ごっくんした。

     

    有山リョウ
    『階段の足音』
    アパートの一階に住むサラリーマンのA。朝が早いため夜は二十二時に就寝に付く。
    寝入りばなの二十二時十分、毎夜隣にあるアパートの階段を登る足音が聞こえてくる。
    隣のアパートは今にも倒れそうなほどぼろく、鉄製の階段の音がよく響く。毎晩この時間に帰宅する人物がいるらしく、いつもこの時間に足音が聞こえる。
    階段を登る足音は一度だけだし、別に睡眠の邪魔にはならないので苦情も言わない。むしろ足音の数を数えると、逆によく眠れる。
    いつものように今晩も足音が聞こえる。耳を澄ませて音を数える。コツリコツリと足音を数えると、決まって十四回で足音が途切れる。隣のアパートの階段は十四段。別に知っていたからと言ってどうということはない。でも隣のアパートの階段の数を知っているのは自分ぐらいだろう。
    少しだけおかしく笑いながら眠りに落ちる。

    数日後、帰宅するA。朝が早い分帰宅も早い。日も落ちていないため、住んでいるアパートの周りでは小学生がよく遊んでいる。小学生たちが、隣のアパートの階段を登りじゃんけんをしている。じゃんけんに勝ったほうが階段を登る遊び、Aも子供の頃によくやった。
    でも十四段しかない階段だとすぐに勝負がつくと思う。
    実際じゃんけんに勝った子供が、すぐに上にたどり着く。
    「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト! はい、十三段。勝った!」
     階段を登りながら、頂上に達した子供が両手を上げる。
     負けた子供が悔しがる。どうでもいいと思いつつ自宅のアパートに戻ろうとすると、不意に気付く。階段の数は十四段のはず。
    少し気になり、隣のアパートの階段を数える。だが子供の数え間違いではなかった。金属製の階段の数は十三段。何度数えても間違いない。
    なんで?
    疑問に思うも自宅に戻るA。
    その夜、いつものように二十二時に就寝に付く。そして二十二時十分。隣のアパートの階段を登る音がする。
     足音を数えると、足音は十四回聞こえてきた。
     不思議に思ったが、いちいち調べにはいかない。世の中には理由がある。きっとこの足音にも理由があるのだろう。
     眠りにつくA。

    数日後、飲み会で帰宅が遅れるA。しかし二十二時には家の近くまで戻れる。
    早く風呂に入って寝たいと思いながら帰宅を急ぐ。Aの住んでいるアパートの近くまで来ると、帽子をかぶり、右手に杖を突く老人が前を歩いている。Aが自分のアパートに入ろうとすると、その老人は隣のアパートに向かっていく。
    隣のアパートはぼろで、人が住んでいる気配はほとんどない。しかもその老人は階段の方に向かっていく。
    もしかしてと腕時計を見るA。時刻はちょうど二十二時十分。老人が階段を登ろうとする。
    わざわざ見に行くほど暇ではないが、ちょうど目の前で階段を登るなら、足音の秘密を見ておくのも悪くはない。老人が階段を上るのを凝視するA。
    すると杖を突く老人が、鉄製の階段の一段目に杖を突く。
    コツリと杖を突く音がした後、老人は杖を持っていない左手で階段の手すりをつかみ階段を上っていく。手すりがあるため、右手の杖は使わない。コツリ、コツリと十三回の足音を立てて階段を登る。最初の杖の音を足せば十四回。数はちょうど会う。
     何事にも理由はある。納得するA。
     不意に隣のアパートの二階を見ると、階段を登り終えた老人がこちらを見て帽子を軽くとり挨拶していた。どうやら見ていたことに気付かれたらしい。軽く会釈してアパートに入るA。
     だがその夜以降、隣から足音が聞こえることはなくなった。

     一週間後、夕方に帰宅すると工事の車が隣のアパートの前に停車し、解体工事の準備に入っていた。Aの住むアパートの大家さんが工事の人と話している。どうやら隣のアパートも同じ大家さんの物件らしい。
    「隣のアパート。壊すんですか?」
     大家に話しかけるA。
    「ああ、Aさん。そうなんだ。いい加減古いし、入居者もいないしね」
    「でも急に壊したら、住んでいる人が大変でしょう」
     一週間前見た老人は、次に住む場所が決まっているのだろうか? 関係ないことだが少しだけ気になる。
    「住人? そんなのいないよ。ここはもうずっと前から誰も住んでいないからね。見ての通り古いし、それに最後に住んでいた人が部屋で孤独死してね、おかげで誰も住みたがらなくて」
     大家の言葉にAは少し驚いたが、何も言わずに家に戻る。

     いつもの時間に布団に入るA。足音の正体を考える。
     世の中にはちゃんと理由がある。
     その理由というのは、実はこの世界には幽霊が実在して、あの老人は孤独死をした住人。誰かに気付いてほしく毎日階段を上り、Aが見たことにより、満足して成仏したのかもしれない。
     もっとあり得る理由としては、あの老人は勝手に住み着いていたホームレスで、Aが見たことで通報されると思い、住む場所を変えただけなのかもしれない。
     世の中には理由がある。しかしAはそれを明らかにするほど暇ではなかった。
     ただ足音が消え、少しだけ寝つきが悪くなり、寝坊することが増えた。