来週発売!! 『ジャナ研の憂鬱な事件簿5』 ついに完結!

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    こんにちは、編集(林)です。

     

    これが青春なんだ。汚いところに美しいものを見つけるのが本当の青春なんだ。

    小説家・織田作之助は『青春の逆説』でこんな一文を残しています。

     

    『ジャナ研の憂鬱な事件簿』シリーズは、2月19日(火)発売の5巻でいよいよ完結!!

     

    表紙はこちら! 白身魚先生の美麗イラスト!!

     

    いよいよ来週発売!ということで、今回は「切なさ」を軸に、本作の魅力をお伝えできれば…と思います!

     

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    あなたは、見悶えするほどの「切なさ」を感じたことはありますか?

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    <!!!5分で読めます!!!>

     

    ●そもそも、『ジャナ研の憂鬱な事件簿』とは?

    第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作

    著:酒井田寛太郎 イラスト:白身魚

     

    モデルの経験を持つほど美人で

    好奇心旺盛な先輩・白鳥真冬

     

    頭脳明晰だがとあるトラウマから

    人と距離を取っている・工藤啓介

     

    「ジャーナリズム研究会」に属する二人が、日常の謎を解き明かしていく――という短編連作形式の物語。

     

    本作の外せない特徴としてはその切なさ・苦さがあります

     

    たとえば…

     

    3巻第2話「鬼の貌」

    「女子隠し」という恐ろしい鬼の伝承が伝わる山に、一人の少女が迷い込んだ。

    少女を捜すうちに、啓介は鬼よりも恐ろしい真相に触れることになる。

     

    4巻第2話「スウィート・マイ・ホーム」

    認知症で身元不明の男性が、入居している老人ホームで空き巣に遭った。

    推理を進めるうちに、啓介たちは老人の過去にまつわるあまりにも悲しい真実に行き当たる。

     

    問われるテーマは、

    「綺麗じゃない」真実にどう向き合うべきか?ということです。

     

    本作では「人はキマイラ(※)だ」というフレーズが繰り返し登場します。

    ※ギリシア神話の怪物。頭、脚、尾、胴体などがそれぞれ別の動物から成る。

    ある時は善で、ある時は悪、またある時はそれらが入り混じった感情を持っている。

     

    探偵はただそれを暴くだけです。

    何年にも渡る悲しみや、自己犠牲や、憤怒や、痛みを無視して、単なる真実だけで、全てを判断する。

    その姿勢は、褒められたものなのか?

     

    ただ、真実が明らかにならなければ、それで苦しむ者もいるわけで。

    そうした難題に正面から切り込んで、着地点を得る。それが、5巻の見どころでもあります。

     

    では、5巻の物語を少しだけ紹介!!

     

    「ロシアン・ウィスキー・ホーリーナイト」

    ユリと共に教会を訪れた啓介は、約60年前のソ連強制収容所での出来事を元にした手記を見つける。

    その内容をもとに、12月24日のクリスマスイブに起きたという「奇跡」を探っていくのだが――。

     

     

    「消えた恋人」

    良太郎が本気で愛しているという女性は、どこか物悲しい空気をまとった美しい人だった。

    その彼女が突然失踪する。しかも、誰に聞いても「そんな女性は存在していなかった」と言われる。

    彼女はなぜ消えたのか? 存在していなかったとはどういうことなのか?

     

     

    「ジャナ研の憂鬱な事件簿」

    真冬の卒業まであとわずか。「追い出し祭」で、盗難に遭ったという中学生の力になることを決めた啓介は、真冬とともに「最後の事件」を追うが――。

     

    ともすれば、単なる後味の悪い物語になってしまいがちなテーマを、容赦なく向き合いながら巧みに昇華して、ある種の「救い」を見出しているのが、本作のすごいところ。

    それはつまり、「汚いところから美しいものを見出す」青春そのものの姿勢とも言えるのではないでしょうか?

     

    見悶えするほどの切なさがなければ、美しいものは見えない。

    本当の青春は味わえない。

     

    ミステリー界の新鋭が導き出した、「青春ミステリー」の一つの到達点をぜひとも見届けてください。

     

    なにとぞ、よろしくお願いいたします。(林)