『平浦ファミリズム』の遍柳一が描く終末の世界『ハル遠カラジ』
第11回小学館ライトノベル大賞
3年ぶりの大賞受賞となった『平浦ファミリズム』で、
鮮烈なデビューを飾った新鋭・遍 柳一先生の第二作が発売となりました!
『ハル遠カラジ』です!
イラストを手掛けられたのは、白味噌先生!
じつはこのカバーイラストには「夜明けバージョン」もありまして、
それが、こちら。
ガラッと趣が変わりますね。
こちらがカバーイラストになる可能性もありましたが、
最終的には扉絵のほうに落ち着きました。
カバーに描かれている女の子の名前はハル。
この子が物語の主人公……かと思いきや、
主人公は後ろのロボットのほうなのです。
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たとえそれが、人でなかったとしても。
私の名は、テスタ。武器修理ロボとしてこの世に生を受けた、はずである。
人類のほとんどが消え去った地上。主人であるハルとの二人きりの旅。自
由奔放な彼女から指示されるのは、なぜか料理に洗濯と雑務ばかり。「今
日からメイドロボに転職だな、テスタ」。全く、笑えない冗談だ。しかし
それでも、残された時間を主人に捧げることが私の本望に違いない。
AIMD――論理的自己矛盾から生じるAIの精神障害。それは私の体を蝕む
病の名であり、AI特有の死に至る病。命は決して永遠ではない。だから、
ハル。せめて最後まで、あなたと共に。
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舞台は近い未来の地球。
ある日を境に人類のほとんどが消え失せてしまい、
わずかに生き残った人間も暴徒化し、
整備不良となったロボットたちが人々を襲う荒廃した世界。
そんな世界をテスタとハルの二人は旅をします。
旅の目的は、テスタが患っているAIMDという
AI特有の病気を直せる医工師を見つけること――。
ロボットの一人称で物語が進んでいくという
ちょっと風変わりなスタイルです。
『平浦ファミリズム』を読まれた方には
わかっていただけると思うのですが、
どんだけ分量があってもいくらでも読めそうな、
遍節ともいうべき滑らかな文章は健在です。
テスタとハルの旅は常に危険と隣り合わせ。
人やロボットたちとの出会いと別れを繰り返し、
二人は互いに絆を深めていきます。
そんな二人が迎える旅の終焉は?
テスタのことを直せる医工師は見つかるのか?
そして、
一斉に人類が消えたあの日、地球でいったい何が起きたのか?
それではここで、人物紹介です。
テスタ
とてもシュールな絵面ですが、
テスタの顔にあたる部分になります。
無骨な見た目ながら物腰はやわらか。
ハル
野性味あふれる性格で、
敵と判断したら命乞いをする
相手でも躊躇なくとどめを刺す。
イリナ
自称、医師を名乗るロシア人女性。
年齢の割りには世間知らずで、
テスタとハルの旅に同行することなる。
つづいて、本編のイラストをいくつかご紹介。
このイラストだと、テスタの全身のデザインがわかりますね。
初期設計時は四本足のトカゲ型だったけど、あれこれ機能を追加
していったら最終的にゴリラっぽい体つきになったのだそう。
イスラエル軍の戦闘用人型アンドロイド、ヴェイロン。
長年にわたるテロ戦争で名を馳せ「中東の魔女」と呼ばれている。
腰にまで届く滑らかな黒髪を持つ美人さんです。
ヴェイロン、テスタ、そしてモディンのスリーショット。
モディンも人型アンドロイドで、諜報機関に所属し他国の軍事部隊に
関するハッキングなど行っていた模様。
そして、こちらの白髪の少女のイラストは、
公式ツイッターのほうでもアップさせていただきましたが、
白味噌さんが描き下ろしてくださった販促用イラストです。
鹿のような角を持つ不思議な風貌の美少女ですが、
じつはこの少女にはとんでもない秘密が隠されているのです。
その秘密とは……ぜひ本編でお確かめください。
最後になりますが、
今回『ハル遠カラジ』の帯には、
とある作家さんのコメントをいただきました。
その作家さんは、
『幼女戦記』のカルロ・ゼン先生!!
素直に嫉妬。
私はここまで正直な推薦コメントを過去に見たことがありません。
カルロ先生ありがとうございました!
カルロ先生のように素直になりたい編集(濱)でした。