『先生とそのお布団』
――これは日本一優しいライトノベル

0

    ※日本一優しい、というのは個人の感想です。


    ついに、あの石川博品がガガガ文庫に参入です。

    ↑↑↑
    画像をクリックで試し読み

     

    もともとは、カクヨムさん(https://kakuyomu.jp/works/1177354054880866601)にて連載されていた短編で、石川さんの同人誌『トラフィック・キングダム』にも掲載された作品です。


    担当(小)は同人誌の方を読んで、いてもたってもいられなくなって、出版のオファーを心に決めました。

    編集として、こんな事を言うのもどうかと思いますが、この気持ちは「読めば分かる」と断言します。

     

    ガガガ文庫で出版するにあたり、もろもろ時系列の整理や、イベントの追加なども行っているので、どちらも違った楽しみ方ができるかと思います!
    イラストをご担当くださったエナミカツミさんのイラストも相まって、とても良い1冊に仕上がっておりますので、ぜひお手に取ってくださいませ。

     

    また、帯にカクヨムさんに投稿されていたレビューを一部使用させていただきました。

     

    ・猫は癒しと勇気をあたえてくれる ―― @hanehane 様

    ・「なぜ物語を紡ぐのか」が誠実に描かれた感動作 ―― 坂神慶蔵 様

    ・書き続ける、そして完遂する―――その大切さと苦悩の日々。 ―― 黒蛹 様

    ・ 猫の『先生』と語る、書くことと物語の生まれるまでについて ―― シャル青井 様

     

    使用をご快諾いただきました皆さま、本当にありがとうございました。
    また、どのレビューも素敵なものだったのですが、デザインなどの都合でもろもろ選定させていただいてしまいました。
    もし「なんで自分のレビューではないんだ」と思われている方がいらっしゃいましたら、ご容赦くださいませm(_ _)m

     

    さて、どのような内容かと言えば、あらすじをこちらに引用してしまうのが分かり易いかと。

    □□□□
    あらすじ
    □□□□

    まだ「何者」にもなれない「誰か」へ――。

     

    家に猫がいる者ならたいてい「うちの猫は特別だ」という。
    だが彼とともにいた猫は本当に特別だった。
    九年間、小説を書くときにはいつもそばにその猫がいた。その猫がいなければ小説なんて書けなかった。
    彼は猫を飼っていたわけではなかった。ただ猫とともに暮らしていた。

    ――本文より抜粋

     

    これは石川布団という作家と、人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々。

    企画のボツ、原稿へのダメ出し、打ち切り、他社への持ち込みetc...
    様々な挫折と障害に揉まれながらも、布団は小説を書き続ける。


    時には読者に励まされ、時には作家仲間に叱咤され、ひとつひとつの出来事に、一喜一憂していきながら、素直に、愚直に、丁寧に、時にくじけて「先生」に優しく厳しく叱咤激励されながら――。

    これは売れないライトノベル作家と「先生」とが紡ぎ合う、己が望む「何か」にまだ辿り着かぬ人々へのエール。


    優しく、そして暖かな執筆譚。

    □□□□

     

    と、まあ簡単に言ってしまうと、いわゆる「作家もの」と呼ばれるジャンルのものなのでございます。
    まるで、石川博品さんの作家半生を思わせるようなストーリー運びが非常に興味深い。
    (決して石川博品さんの自伝ではないのですよ。決して)

     

    「作家もの」とはいえ、決して爆発的に売れてハッピーになるわけでも、売れるために仲間達と切磋琢磨するぞ! という話ではありません。

     

    じゃあ、何が面白いのかといえば、小説に対していかに真摯に向き合うかという主人公の姿勢です。

     

    真摯に小説を書ききるかと思えば、真摯に小説から逃げだそうとしたりもする。

    書いた小説が売れなければ落ちこむし、ちょっと良い結果が出れば喜ぶし、他人との才能の差を感じて少しナーバスになるしで、その人間らしさに愛おしさを感じるわけです。

    この日常を、本当に暖かな日常として、真摯に描ききったこの作品は賞賛に値するものなのです。

     

    またもう一つの、そして最大のポイントは「先生」とよばれる猫の存在です。

    ↑↑↑

    これが「先生」

     

    この猫の辛辣な発言と、石川布団のけっこう楽観的な姿勢が織りなすコメディが、非常に軽快で心地良い。

    たとえばこんなやりとり

    ↓↓↓
    「おなかもいっぱいになったことだし、一眠りするか」
    「原稿を書け」
    先生が背中の毛を逆立てる。
    「冗談ですよ冗談」
    彼は笑いながらからだを起こし、机に向かった。椅子に座り、昨日書いた原稿を見る。
    二十一世紀にもなって彼はボールペンと原稿用紙を使って小説を書いていた。ただ、それでは推敲や編集者とのやりとりに不便なので、紙に書いたものをワープロソフトに打ちこむ。
    一日の作業のはじめに、前日書いた分をタイプすることにしていた。
    いま書いている原稿は、題名を『少女御中百合文書』といった。鹿児島にかつてあった若衆たちの共同体・御中――それを現代の女子高生に置きかえた百合小説である。
    「う〜ん」
    彼はノートパソコンの画面を見つめ、腕を組んだ。「どうしてプロットが没になっちゃったのかなあ。鹿児島の女の子たちが御中を結成し、良か少女になることを目指してさまざまなかたちで胆を練る物語のどこがいけなかったんだろう」
    「鹿児島の女の子たちが御中を結成し、良か少女になることを目指してさまざまなかたちで胆を練るところではないかな」

     

      ――こんな風に、いろいろと突っ込んでくれる「先生」の愛おしさはかなりのものです。


    この「先生」がいるからこそ、布団は作家であり続けていると言っても過言ではありません。

     

    その二人(?)が育む創作の世界。
    物語に向き合うということを、優しさにあふれて描写していくこの作品は、確実に唯一無二の名作ですので、ぜひこの機会に石川博品という一人の天才の作品に触れてみていただきたいです。
    最初から最後まで、暖かで優しい空気に包まれた傑作ですので。


    さてさて、本作は様々な書店さんにて特典を作成していただいております。
    その特典はコチラ!

     

    BOOKEXPRESS様

     

    ゲーマーズ様

     

    COMICZIN様

     

    とらのあな様


    石川さんのコメントもたっぷり! もしよければコンプリートしてみて欲しいところです。


    そして、コチラはTwitterでも告知いたしますが、プレゼントキャンペーンのお知らせです!

    11月17日(金)〜12月1日(金)24時まで

    に、当該ツイートをRTのうえ、「#先生とそのお布団」のハッシュタグをつけて感想をツイートして下さった方の中から、抽選で10名様に「石川博品氏の手稿(どのページかはランダムです)」「エナミカツミ氏のカバーイラスト仕様のフォトプリント」をプレゼントいたします!
    皆々さま、こぞってご参加ください。

     

    僕が同人誌『トラフィック・キングダム』で短編版を読んだ時の感動を、より大きなものにして、皆さまにお届けできましたら幸いです。

    なにとぞ、よろしくお願いします。